外国特許事務とは
そもそも外国特許事務とはどういう業務を指しているのでしょうか。
外国特許事務というのは、特許事務所での業務のうちのひとつですので、特許事務所の業務内容を解説しながら、その中の外国特許事務をみていきましょう。
特許事務所とは、弁理士が特許、実用新案、意匠、商標など特許庁における手続あるいは経済産業大臣に対する手続を行うための業務を処理するために開設された事務所となります。
要は特許や商標などの申請手続などの業務をする事務所のことです。
特許事務所の業務の中でも外国特許事務の業務内容をみてみましょう。
まず、海外のクライアントが日本の特許庁へ出願したい特許案件の出願をサポートする業務があります。
これを外内(がいない)と呼びます。
一方で、内外(ないがい)と呼ばれるものは、国内のクライアントが海外の特許庁へ出願したい特許案件の出願をサポートする業務となります。
外内における顧客は、海外のメーカーなど対象となります。
海外のメーカーなどが日本での特許をとりたいと考えた時に外国特許を取り扱っている事務所に業務を依頼します。
内外の場合は日本企業が顧客で、国内の特許申請を担っている事務所が内外も担当することが多いです。
しかし、国内には強いが外国特許事務はあまり取り扱っていないという事務所もあり、その場合は提携している事務所に依頼することもありますが、国内も内外もまとめて依頼したい企業側から依頼を引き上げられてしまう場合もあります。
では、特許事務所はどんな人が働いているのでしょうか。
特許事務所は上記で説明した通り、弁理士が開設した事務所であるため、弁理士が働いています。
また、弁理士取得をしていない特許技術者、特許事務、特許翻訳を担当するスタッフも働いています。
特許事務所の労働時間は通常9時から17時前後の時間の設定になっています。
ただし、外国特許を扱う場合、海外のお客様との打ち合わせがあります。そうなると、日本時間での打ち合わせではなく、夜遅いあるいは朝早くの打ち合わせが入ってしまうケースもよくあるので、希望する方は注意が必要です。
外国特許事務に求められるスキルは
外国特許事務で求められるスキルは何になるのでしょうか。
もちろん特許事務所であるため、特許に関する知識は当たり前ですが必要となります。
これは日本の特許も必要ですが、日本の企業が海外に申請をするケースの場合、申請先の国の特許に関する法律の概略は知っておいた方が有利です。
もちろん海外には専門家がいるのでそちらにお願いすることになりますが、とはいえお客様に概略でも話せる方が印象は上がります。
また、外国特許事務ですが、海外とのメールやTEL、TV会議のやり取りが生じます。
そのため、英語スキルは必須となります。
逆に言えば英語ができれば、外国特許事務にチャレンジすることも可能です。
特許ということで専門用語が多いため、かなり高度な英語スキルが必要ですし、勉強し続けなければならないという側面もあります。
そのほか、これは外国特許事務だから必要というわけではなく、働く以上は当たり前のことですが、ミスなく正確に作業ができる能力、コミュニケーション能力は必須のスキルとなります。
クライアントに依頼を受け、要望を実現する仕事であるため、正確さやお客様のニーズに応えるためのコミュニケーション力は重要です。
外国特許事務のやりがい・大変なことは
外国特許事務の仕事のやりがいは仕事をやり切った時の達成感です。
クライアントの要望に応えて成果物を出し、特許の申請が通った時にはやり切った達成感があります。
クライアントとの協力、とくに現場の技術者とは密なコミュニケーションが必要な業務なので、達成感は大きいといえるでしょう。
一方で、特許の申請前になると用意しなければならない資料も膨大となり、イレギュラーに対応する必要も出てきます。
準備はもちろん着々と進めますが、事前になると申請先となる特許庁からの問い合わせなどが出てくるため、どうしても忙しくなるのです。
また、海外が申請先であったり、クライアントが海外企業である場合に時差が生じてしまうため、タイムリーにやりとりができません。
ちょっと聞きたいことがあったとしても、やり取りに時差が生じるため、ストレスが生じます。
やりがいも大変なこともありますが、乗り越えてこその達成感を獲得できるのだといえます。
外国特許事務の求人状況は
外国特許事務をやりたいと場合、どこに就職あるいは転職すればいいのでしょうか。
それはやはり特許事務所が一番です。
「外国特許」「内外」「外内」などで検索してみましょう。
やりたいことができる事務所を選択して応募手続きをしていきましょう。
もちろん事業会社でも外国特許事務をすることもできます。
特にここ最近では外部の専門家に依頼するのではなく、内製化をする事業会社も増えています。
外部に依頼するとどうしても依頼費用が高くなってしまうため、件数が多くなる事業会社であれば外部に依頼するより、内部で人材をかかえておく方が金額を抑えることができます。
また、外国特許事務の求人においては正社員に限らず、アルバイトやパートなどの求人もあるので、そこは自分の状況に応じて応募していくことができます。
特許事務所や事業会社、それぞれで求人があるので自分の希望に応じて応募していきましょう。
外国特許事務のキャリアプラン
最後に外国特許事務のキャリアプランをみていきましょう。
外国特許事務で活躍するには、まずは特許事務所で働くのが最初の選択肢となります。
特許事務所といえば弁理士ですが、弁理士でなくとも働くことはできます。
働きながら弁理士の資格を取得することもできます。
外国特許という専門的な仕事をするのであれば、弁理士という国家資格にチャレンジしてよりいっそう活躍の場を広げることもおすすめします。
また、特許事務所で外国特許事務をすれば、ビジネス英語や特許の知識を取得できるため、いろんな業務に応用することができます。これらの能力は特許事務所だけではなく、事業会社でも、そして特許とは関係のないポジションでも活かしていくことができます。
高度なビジネス英語は、大きなアドバンテージを得ることができます。
まとめ
ここまで外国特許事務についての求人をみてきましたが、いかがでしょうか。
外国特許事務は海外とやり取りもすることができ、英語ができるのであれば生かすことができます。
特許の知識を取得することと英語を生かすことができるので、スキルを高め、自分自身をバリューアップさせることのできる仕事といえます。
さらに弁理士を取得すれば、さらにその先の選択肢が増えます。
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